マイナンバーカード更新ラッシュ —— 2026年度、八王子市の窓口はどう備えるか
2016年交付分のカード本体と2020年交付分の電子証明書の期限が重なり、2026年度は更新の集中年になる。八王子市内のどの窓口が何を扱い、混雑を避けるにはどう動けばいいか、代理申請の使い方まで整理する。

この記事の目次
マイナンバーカードのカード本体は発行から10回目の誕生日、ICチップ内の電子証明書は5回目の誕生日で期限が切れます。2016年の交付開始分と2020年の申請ブーム分がちょうど重なり合う2026年度は、全国で更新が集中する年にあたります。八王子市内では市役所本庁舎と駅南口など市内7か所がカード受け取り・更新全般を扱い、電子証明書の更新だけなら市内13か所まで窓口が広がります。混雑する時間帯と、来庁できない場合の代理申請の仕組みまで、先に知っておけば待ち時間を減らせます。
連載「市役所とデジタル」第12回|この連載をまとめて読む
結論 —— カードは10年、電子証明書は5年。2026年度は更新の重なり年
マイナンバーカード本体は、交付(発行)日から数えて10回目の誕生日まで有効です。交付時に18歳未満だった場合は5回目の誕生日までとなります。これとは別に、ICチップ内に搭載されている署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書は、年齢を問わず発行日から5回目の誕生日までしか使えません。つまり同じ1枚のカードの中に、本体と電子証明書という有効期限の異なる2つの時計が入っている状態です。
更新手続きは、有効期限満了日の3か月前の翌日から可能になります。カード本体を更新する場合は交付申請が必要で、申請方法はスマホ・パソコン・郵送・証明写真機のいずれかから選べます。6か月以内に撮影した新しい顔写真が必要になり、申請から新しいカードを受け取るまでおよそ1か月かかるため、期限が近づいたら早めに動くことが肝心です。一方、電子証明書だけの更新であれば窓口でその日のうちに完了し、暗証番号の入力だけで写真の準備は不要です。どちらの更新も手数料はかかりません。
2つの期限のうち、生活への影響が先に出やすいのは電子証明書です。健康保険証としての利用登録やe-Taxでの確定申告、マイナポータルへのログインなど、本人確認を伴う多くのオンライン手続きは電子証明書の有効性を前提にしているため、カード自体がまだ使えても電子証明書が切れていれば、これらの手続きはそのままでは進められなくなります。カード本体の見た目はそのままでも、中の電子証明書だけが期限切れになっている状態は本人には分かりにくく、オンライン手続きをしようとして初めて気づくケースも想定されます。
なぜ今、更新が集中するのか —— 2016年交付開始と2020年の申請ブーム
マイナンバーカードの交付は2016年(平成28年)1月に始まりました。その後しばらくは交付件数が緩やかに推移していましたが、2020年に新型コロナウイルスの特別定額給付金申請やマイナポイント事業が始まったことで、その年にカードの交付申請が一気に増えました。
この2つの時期が、ちょうど2026年前後にそれぞれの期限を迎えます。2016年交付分のカード本体は「10回目の誕生日」を、2020年交付分の電子証明書は「5回目の誕生日」を、いずれも2025〜2026年ごろに迎える人が多いためです。この重なりにより、2026年度はカード本体で約590万件、電子証明書で約1,430万件の更新が全国で見込まれています。八王子市も例外ではなく、交付の歴史が長い自治体である以上、同じ重なりの影響を受けることになります。
八王子市内の窓口と、混雑を避ける動き方
八王子市内でカードの受け取りと更新全般を扱う窓口は、市役所本庁舎の市民部市民課のほか、八王子駅南口総合事務所・浅川事務所・由木事務所・南大沢事務所・元八王子事務所・北野事務所、そしてデジタルフロントスポット長房の合計7か所です。電子証明書の更新だけであれば対応窓口はさらに広がり、これらに加えて市内合計13か所の事務所で手続きができます。カードを窓口で受け取る場合は、受け取りを希望する日の5日前までに事前予約が必要になる点も覚えておきたいところです。
窓口ごとの受付時間はまちまちで、平日に加えて土曜・日曜に対応している事務所もあります。
| 窓口 | 平日 | 土曜 | 日曜 |
|---|---|---|---|
| 市民課(本庁舎) | 8:30〜17:00 | 休止 | 休止 |
| 八王子駅南口総合事務所 | 10:00〜18:30 | 休止 | 10:00〜16:30 |
| 南大沢事務所 | 10:00〜17:00 | 休止 | 10:00〜16:30 |
本庁舎の市民課は平日のみの受付ですが、駅南口と南大沢の両事務所は日曜日も開いているため、平日に来庁できない人の受け皿になっています。ただし毎月第3土曜日の翌日にあたる日曜日は、電子証明書更新の受付自体を行っていない点には注意が必要です。
八王子市の公式サイトは、八王子駅南口総合事務所について「時期により大変混雑し、長時間お待たせする場合がある」と案内しています。特に混みやすいのは午前10時から午後2時の時間帯と、窓口業務が終わる直前の1時間です。市は混雑緩和のため、本庁舎や駅前だけに来庁を集中させず、住んでいる地域に近い事務所での手続きも検討するよう呼びかけています。
更新の集中が混雑にどこまで直結するかは、窓口の対応力次第という側面もあります。ある自治体では、更新ラッシュの時期に窓口を訪れる住民が途切れず混雑していたものの、職員を大幅に増員したことで受付から手続き完了までおよそ15分で済んだという報告があります。これは八王子市単体の実例ではありませんが、人員配置次第で待ち時間が大きく変わりうることを示す一例です。更新対象が全国で重なる年だからこそ、窓口を選べる人は居住地に近い事務所へ手続きを分散させることが、自分の待ち時間を減らすうえで一番手軽な方法になります。平日に時間を取りにくい人は、日曜対応のある駅南口・南大沢の両事務所を候補に入れておくと選択肢が広がります。
自分で行けないときの代理申請
高齢や入院などの事情で本人が窓口に来られない場合に備え、代理申請の仕組みも用意されています。法定代理人が電子証明書の更新を申請する場合は、戸籍謄本など代理人としての資格を証明する書類を持参する必要があります。
一方、任意代理人による申請では「照会書兼回答書」という書類に本人が記入し、郵送でやり取りする方式が取られています。この場合の回答期限は郵送から約1か月です。窓口に来られない人が一定数いることを前提に設計された仕組みであり、本人の来庁が難しい家庭では、早めにこの代理申請の存在を知っておくと更新のタイミングを逃しにくくなります。
更新対象が全国で重なる2026年度は、高齢の親のカードを子が代理で更新するケースも例年より増えることが見込まれます。郵送でのやり取りには申請書の記入から回答まで一定の時間がかかるため、有効期限が近づいてから慌てて動くのではなく、満了日の3か月前という更新開始のタイミングを家族内で共有しておくことが、結果的に窓口での待ち時間そのものを避ける手段にもなります。
全国の保有状況から見える八王子の立ち位置
総務省の公表統計によると、令和8年(2026年)1月末時点のマイナンバーカード保有枚数率は全国で81.2%でした。別の集計では令和8年2月末時点の保有枚数が全国で約1億174万枚、保有率にして81.7%と報じられており、この数か月で保有率がさらに積み上がっていることがうかがえます。都道府県別に見ると宮崎県が86.0%で最も高く、埼玉県80.3%、沖縄県70.7%といった県が下位に位置しています。東京都もこの保有枚数率では全国平均を下回る下位グループに入っており、八王子市も東京都内の自治体である以上、この傾向と無関係ではありません。
保有率が全国平均に届いていない地域ほど、今後新規に交付を受ける人と、既に持っているカードの更新を迎える人が同時に窓口へ来ることになります。八王子市のように人口規模が大きい自治体では、この両方の動きが重なりやすく、窓口の混雑しやすさにもつながっていると見ることができます。
保有率の数字だけを見ると「まだ持っていない人の問題」のように映りますが、2016年の交付開始から10年が経とうとしている今は、「既に持っている人の更新」という、これまであまり注目されてこなかった側面が前面に出てくる段階に入っています。新規交付と更新の両方の窓口対応を、同じ人員体制でどうこなすかは、八王子市に限らず保有率が積み上がってきた自治体に共通する課題といえます。
まとめ
マイナンバーカードは、カード本体が10年、電子証明書が5年という2つの異なる期限を持つ仕組みで、どちらが切れているかによって生活への影響の出方も変わります。2016年の交付開始と2020年の申請ブームという2つの波が重なる2026年度は、全国的に更新が集中する年にあたり、八王子市内の窓口もその影響を受けます。市内7か所のカード窓口・13か所の電子証明書窓口のうち、居住地に近い事務所を選び、混雑しやすい時間帯を避けるだけでも、待ち時間は変わってきます。来庁が難しい場合は代理申請という手段があることも、覚えておいて損はありません。更新は後回しにするほど選べる手段が狭まっていくため、早めの行動が結局は一番の近道になります。
この連載の他の記事
「市役所とデジタル」は、公開型GIS「はちおうじマップ」から始まった八王子市の行政デジタル化を、都市計画・防災・教育・手続き・スマホアプリなど分野ごとに追いかけている連載です。
参考文献
八王子市公式ホームページ「マイナンバーカードに搭載される電子証明書の更新について」 / 八王子市公式ホームページ「マイナンバーカードを窓口で受け取る方式」 / 八王子市公式ホームページ「八王子駅南口総合事務所」 / ポケットサイン株式会社「マイナンバーカード『更新』ラッシュ|有効期限到来に向けた留意点は」 / BCN+R「26年1月末時点のマイナンバーカード保有枚数率は81.2% 東京や神奈川は平均を下回る」
この記事は連載「市役所とデジタル」第14話です
「年収の壁」引き上げと社会保険適用拡大 —— 2026年、桑都の個人事業主・パート労働者は何が変わるか
Support
※ Stripe決済(合同会社月香が運営)で安全にお支払いいただけます





