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暮らしと法律 · 公開: 2026.07.04 · 更新: 2026.07.31 · 6分で読めます

マイナンバーカードで何が変わったか —— 行政手続きの実際

保有枚数が1億枚を突破したマイナンバーカード。健康保険証との一体化、コンビニでの証明書交付、給付金の受け取りまで、暮らしの中の行政手続きがどう変わったのかを整理します。

書類にサインをする手元

概要

市役所の窓口に並ばずに証明書を取れる、保険証代わりにカードを使う——マイナンバーカードは、気づけば暮らしの手続きに深く入り込んでいます。保有枚数は2026年2月時点で1億枚を突破し、人口の8割以上が手にする状況です。健康保険証との一体化、コンビニでの証明書交付、給付金の受け取り、そしてカード自体の更新まで、実際に何がどう変わったのかを整理します。


どこまで広がったか — 保有率と携行率のギャップ

マイナンバーカードの保有枚数は、2026年2月時点で1億枚を突破しました。人口に対する保有率は81.7%にのぼります。前年同時期の2025年2月末時点は約9,700万枚・約78.0%だったので、1年間で約3.7ポイント上昇した計算です。

都道府県別に見ると差があります。最も保有率が高いのは宮崎県で86.3%、最も低いのは沖縄県で71.3%です。一方で、カードを取得した人のうち日常的に携行している人は52.4%にとどまります。「持ってはいるが、常に持ち歩いてはいない」というのが実態に近いようです。


健康保険証との一体化 — マイナ保険証と資格確認書

最も生活に直結する変化が、健康保険証との一体化です。従来の健康保険証は2024年12月2日に新規発行が停止され、2025年12月1日には発行済みの保険証も順次有効期限を迎え、原則として使えなくなりました。

ただし、この移行は一気には進んでいません。期限切れの保険証を持っていても、医療機関がオンライン資格確認システムなどで資格を確認できれば、通常の保険診療として扱われる暫定措置が設けられています。当初この措置は2026年3月末までの予定でしたが、マイナ保険証の利用率が64.62%にとどまっていることや、後述する資格確認書の発送の遅れを踏まえ、2026年7月31日まで延長されました。所管の厚生労働大臣は「これ以上の延長は想定していない」としており、8月以降は期限切れの保険証が使えなくなる見込みです。

資格確認書とは

マイナ保険証を使わない、または使えない人のために交付されるのが「資格確認書」です。以下の対象者には申請なしで自動的に交付されます。

  • マイナンバーカードを持っていない人
  • 健康保険証としての利用登録をしていない人
  • 登録を解除した人
  • 電子証明書の有効期限が切れている人
  • 後期高齢者医療制度の加入者(2026年7月末までの暫定措置として)

高齢の方や障害のある方など、マイナンバーカードでの受診が難しく配慮が必要な人は、初回のみ申請が必要です(更新時の再申請は不要)。カードを紛失中・更新中の人も対象になります。有効期間は原則5年以内で保険者が個別に設定しますが、後期高齢者医療制度の加入者には2026年7月末まで有効なものが交付されています。交付費用はいずれも無償です。


コンビニ交付サービス — 窓口に行かずに証明書を取る

マイナンバーカードを使えば、全国のコンビニエンスストアに設置されたマルチコピー機で、住民票や印鑑登録証明書などを取得できます。市区町村の窓口が開いていない早朝・深夜(6時30分〜23時)や土日祝日でも利用でき、住んでいる市区町村以外の、最寄りのコンビニでも取得できる点が特徴です。

2024年以降は、iPhoneやAndroidのスマートフォンに電子証明書を搭載することで、カード本体を持ち歩かなくてもコンビニ交付サービスを使えるようになりました。

八王子市では、住民票の写し、印鑑登録証明書、個人住民税課税(非課税)証明書(最新年度のみ)、戸籍全部・個人事項証明(戸籍謄抄本)、戸籍附票の写しがコンビニ交付の対象です。手数料は1通10円で、窓口交付より割安に設定されています(個人住民税課税・非課税証明書のみ200円)。利用には、カードに利用者証明用電子証明書が搭載されていることが条件です。


公金受取口座登録制度 — 給付金をスムーズに受け取る仕組み

給付金などを受け取るための口座を、マイナンバーとともにあらかじめ1つ登録しておく制度です。新型コロナウイルス感染症対応をきっかけに、給付金の支給を迅速化する目的で整備されました。

登録はマイナポータルを通じてオンラインで完結し、マイナンバーカードがあれば手続きできます。登録しておけば、給付金の申請時に口座情報を書いたり通帳の写しを提出したりする必要がなくなり、受け取る側だけでなく支給する行政側の事務負担も軽くなります。物価高騰対策の給付金、所得税の還付金、児童手当、年金給付など、160種類以上の給付金の受け取りに使われています。


電子証明書の有効期限と更新 — うっかり失効を防ぐには

マイナンバーカード本体の有効期限は、成人が発行から10年、未成年者が発行から5年です。一方、カードに搭載されている電子証明書(署名用・利用者証明用)の有効期限は、年齢にかかわらず発行から5年と、カード本体より短く設定されています。この電子証明書の期限が切れると、コンビニ交付やマイナ保険証としての利用ができなくなります。

有効期限はカード表面に印字されているほか、マイナポータルからも確認できます。満了日までの期間が3か月未満になった時点から更新手続きが可能で、目安として期限の2〜3か月前に「有効期限通知書」が郵送されます(通知書が手元になくても手続き自体はできます)。更新は、有効期間内のマイナンバーカードを持って住民登録のある市区町村窓口へ行き、その場で既存のカードに新しい電子証明書を書き込んでもらう形で行います。手数料はかかりません。


まとめ

保有枚数1億枚という数字の裏で、マイナンバーカードは健康保険証、証明書の窓口、給付金の受け取り口座という、暮らしのいくつもの手続きの入り口になりました。ただし、その移行は一律に完了したわけではなく、健康保険証の暫定措置のように期限が区切られて動いている最中の制度もあります。

便利になった一方で、電子証明書はカード本体より短い5年で切れること、資格確認書には申請が必要な人と不要な人がいることなど、見落としやすい注意点も残っています。手元のカードの有効期限を、一度確かめておくとよさそうです。


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参考文献

総務省「マイナンバーカード交付状況について」「マイナンバー制度とマイナンバーカード コンビニ交付」 / デジタル庁「マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード」「よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について」「マイナンバーカードを利用し、コンビニで各種証明書を取得する方法」「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」「公金受取口座登録制度」「公金受取口座を登録・変更する方法」 / 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」 / 厚生労働省 保険局「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」 / 八王子市「マイナンバーカードを利用した各種証明書のコンビニ交付サービス」 / マイナンバーカード総合サイト「更新手続きについて」 / 公的個人認証サービス ポータルサイト「電子証明書の有効期間と失効」 / 政府広報オンライン「マイナンバーカードと電子証明書の有効期限をご確認ください」

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カヅキ

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桑都手帖 編集者

ものづくりや意匠設計を学んだ経験をもとに、八王子の風土・歴史・伝統工芸を現代につなぐ記事を書いています。暮らしの手続きについても、調べたことをそのまま書き留めています。