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工芸とデジタル · 公開: 2026.10.08 · 8分で読めます

「Androidのマイナンバーカード」で何が変わる —— 10月20日開始、属性証明機能とは

デジタル庁が2026年10月20日に始める「Androidのマイナンバーカード」。スマホのGoogleウォレットで本人確認ができるようになる新機能の内容と、八王子での窓口手続きへの影響を整理します。

和紙の上に流れる抽象的なデータの光の帯

2026年10月20日から、デジタル庁が「Androidのマイナンバーカード」という新しいサービスを始めます。要点を先に言うと、スマホのGoogleウォレットに搭載したマイナンバーカードの情報を使って、お店や窓口での本人確認・年齢確認がその場で済むようになるというものです。これまでスマホ用電子証明書でできていたことが使えなくなるわけではなく、新しい機能が一つ加わる形です。何が増えて、何はこれまでと変わらないのか、八王子で暮らす立場から整理します。


結論:10月20日から何が変わるのか

デジタル庁は、Android端末の「Googleウォレット」に搭載して使う新サービス「Androidのマイナンバーカード」を、2026年10月20日から提供すると発表しました。対象はAndroidスマートフォンの利用者で、マイナンバーカードを持っている人であれば利用できる見込みです。ただし最終的なテスト結果によっては、開始日が前後する可能性もあると案内されています。

このサービスは、これまで提供されてきた「スマホ用電子証明書搭載サービス」——対応機種が200機種を超える既存のサービス——を土台にした刷新です。今回新たに加わるのが「属性証明機能」と呼ばれる機能で、これが最大の変更点になります。

桑都手帖では、2026年8月25日からスマホのアプリが「マイナアプリ」として一本化された件を取り上げましたが、今回の話はそれとは別の動きです。アプリの使い勝手を整理した前回の刷新に対して、今回はスマホに搭載できる機能そのものを増やす刷新にあたります。行政手続きのデジタル化が、アプリの統合から、カードの機能拡張へと段階を進めている形です。


新機能「属性証明機能」の中身

属性証明機能とは、氏名・住所・生年月日といった、マイナンバーカードに記録されている本人の情報を、対面の場でスマホから提示できる仕組みです。これまでは本人確認をしてもらう際に実物のカードを取り出して見せる必要がありましたが、この機能を使えばスマホをかざすだけで同じことができるようになります。

具体的な利用シーンとして挙げられているのは、金融機関での口座開設や携帯電話の契約、店舗やオンラインサービスでの本人確認・年齢確認です。生体認証を組み合わせることで、対面サービス側も本人確認を「簡単かつ確実に」行えるようになるとされています。これまで年齢確認や本人確認のためだけに実物のカードを持ち歩く必要があった場面でも、スマホ一つで済むケースが増えていくことになりそうです。

これまでのスマホ用電子証明書は、主にオンライン上の手続きで本人であることを示すための仕組みでした。マイナポータルへのログインや、オンラインでの契約・取引の場面で、画面の向こう側に自分の情報を渡す、という使い方が中心だったといえます。今回の属性証明機能は、画面の向こうではなく、対面というその場その場の確認に使える点が、これまでとの大きな違いです。

言い換えると、これまでは「ネット上の自分」を証明する手段だったものに、「目の前にいる自分」を証明する手段が加わる、という整理になります。窓口やお店の担当者からすれば、実物のカードを目視で確認する代わりに、スマホの画面と生体認証を使って同じ確認作業ができるようになる、ということです。

日常生活で本人確認や年齢確認が必要になる場面は、思いのほか多くあります。携帯電話の契約やクレジットカードの申し込み、賃貸住宅の契約、宅配便の受け取りなど、実物のカードや免許証を提示する機会は暮らしの中に点在しています。そうした場面の一部が、スマホを取り出すだけで済むようになる、という変化だと捉えると、今回の刷新のスケールが具体的にイメージしやすくなります。


今までの機能はどうなるのか・使い方

今回の刷新は、既存の機能を置き換えるものではなく、新しい機能を上乗せするものです。これまでスマホ用電子証明書でできていた、マイナポータルでの医療費や年金情報の確認、確定申告や引っ越し手続きなどの各種オンライン申請、住民票の写しや印鑑登録証明書のコンビニ交付サービスは、10月20日以降も変わらず利用できます。

使い方としては、まずAndroid端末の「Googleウォレット」にマイナンバーカードの情報を登録します。対面で本人確認を受ける側は、「マイナンバーカード対面確認アプリ」という無償のアプリを使って、提示された情報を確認する仕組みです。利用者が新たに覚えなければならない操作は、現時点で案内されている範囲では大きくはなさそうです。

この「置き換えではなく上乗せ」という位置づけは、8月のマイナアプリ統合のときとは少し性格が異なります。マイナアプリ統合は、2つのアプリが1つにまとまったことで、利用者が使うアプリそのものが変わった刷新でした。今回は、使っているアプリやサービスの範囲は変えずに、その中でできることを増やす刷新であり、既存のオンライン申請や証明書交付をふだん使っている方への影響は比較的小さいと見てよさそうです。

逆に言えば、普段スマホでマイナンバーカード関連の手続きをしていない方にとっては、今回の変化はすぐには実感しにくいかもしれません。まずはGoogleウォレットへの登録という一手間が必要になるため、「使ってみたい」と思ったタイミングで登録する、という形で十分に対応できそうです。慌てて10月20日までに準備を済ませる必要はなく、必要になったときに設定すればよい変化だといえます。


対応端末と注意点

ただし、すべてのAndroid端末で使えるわけではない点には注意が必要です。対応するのは「一定の基準を満たすセキュリティチップを搭載したAndroid端末」に限られ、具体的にどの機種が対応するのかは、2026年10月20日までにデジタル庁のウェブサイトで公表される予定とされています。

参考までに、現行のスマホ用電子証明書搭載サービスは対応機種が200機種を超えているとされています。新サービスの対応機種がこれと同じ範囲になるのか絞られるのかは、本稿の時点ではまだ明らかになっていません。また、今回の発表はAndroid版が対象で、iPhone(iOS)は対象外です。iPhoneを使っている方は、今回の刷新の影響を直接受けることはありません。

対応端末が限られる理由として、属性証明機能が生体認証や本人情報の確実な保護を前提にした機能である以上、スマホ側にもそれに応じたセキュリティ性能が求められるという事情が背景にあると考えられます。手元のスマホが対応するかどうかは、現時点では確認する手立てがなく、10月20日の開始に合わせた公式サイトの発表を待つほかありません。買い替えを検討している方は、発表のタイミングまで判断を持ち越すのも一つの選択です。

現行のスマホ用電子証明書サービス自体は、既に一定の普及が進んでいる仕組みです。対応機種が200機種を超えているという事実からも、Androidスマホを使っている方の多くが、既にこのサービスの対象に入っている可能性は高いといえます。新しい属性証明機能についても、対応機種が公表された段階で、自分の端末が含まれているかを一度確認しておくと、10月20日以降に戸惑わずに済みそうです。


八王子で暮らす私たちにとっての意味

今回のサービスはスマホ側に搭載する証明書・情報の話であり、マイナンバーカードそのものの新規交付や更新の手続きが変わるわけではありません。八王子市内では、八王子駅南口総合事務所などの窓口でカードの交付や更新手続きを行っており、顔写真の照合や本人確認書類の提示、暗証番号の設定が必要なため、原則として本人が窓口に出向く必要がある点はこれまでと同じです。

また、八王子市では2024年12月2日から「特急発行」サービスが始まっており、通常1か月半程度かかるカードの申請から受け取りまでを、原則1週間以内に短縮できる仕組みが用意されています。引っ越しや就職などでマイナンバーカードが急に必要になった場合、こうした既存の制度を使ってまずカード自体を手に入れておけば、スマホ側の新機能はあとから必要に応じて登録すればよい、という順番で考えることができます。

スマホでの新機能に不安がある方や、対応するAndroid端末を持っていない方も、これまでどおり実物のカードを使った本人確認は引き続き可能です。カードに関する一般的な問い合わせは、マイナンバーカードコールセンター(042-620-7474、平日8時30分から17時まで)で受け付けています。新しい選択肢が一つ増えるだけで、今までの手続きの仕方が無くなるわけではない、という点を押さえておくと安心です。


まとめ

「Androidのマイナンバーカード」は、2026年10月20日からスマホのGoogleウォレットに搭載して使える新しい証明書サービスです。最大の変化は、対面の場で本人確認や年齢確認がスマホだけで済む「属性証明機能」が加わること。これまでの機能がなくなるわけではなく、窓口での手続きや実物のカードの役割も変わりません。詳しい対応機種などの情報は10月20日の開始に合わせて公表される予定なので、Android端末を使っている方は、その頃に改めて確認してみるとよさそうです。

行政のデジタル化は、一つの大きな変化が一度に来るのではなく、アプリの統合、機能の追加というように、小さな刷新が積み重なって進んでいきます。今回の属性証明機能も、その一つとして捉えておくと分かりやすいかもしれません。すべてを使いこなす必要はなく、自分の暮らしに関係する部分だけを、その都度確認していく付き合い方で十分です。


参考文献

デジタル庁ウェブサイト「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」 / ASCII.jp「Androidのマイナンバーカード、ついに開始 10月20日から」 / ITmedia Mobile「『Androidのマイナンバーカード』は10月20日スタート予定 今の『スマホ用電子証明書』と何が違う?」 / Web担当者Forum「デジタル庁が『Androidのマイナンバーカード』を10月20日提供開始、『属性証明機能』を搭載」 / Sbbit「『Androidのマイナンバーカード』10月20日開始 Googleウォレットで本人確認が可能に」 / 八王子市ホームページ「マイナンバーカードを窓口で受け取る方式」

マイナンバーカードで何が変わったか —— 行政手続きの実際

暮らしと法律 · 6分

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カヅキ

カヅキ

桑都手帖 編集者

ものづくりや意匠設計を学んだ経験をもとに、八王子の風土・歴史・伝統工芸を現代につなぐ記事を書いています。暮らしの手続きについても、調べたことをそのまま書き留めています。