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仕舞手帖 · 公開: 2026.10.19 · 8分で読めます

実家の介護が「もう限界」と感じたら?施設探しを始めるタイミングと相談窓口

実家の介護に限界を感じ始めたとき、まず相談すべき窓口、要介護認定の申請から結果通知までの流れ、施設を検討する目安、仕事を続けながら動くための制度を、公的資料をもとに整理します(2026年時点)。

みずみずしい緑の桑の葉

「もう無理かもしれない」と感じても、誰に相談すればよいのか分からず、ただ日々をやり過ごしている方は少なくありません。実家の介護は本人も家族も「まだ頑張れる」と思い込みやすく、相談のタイミングを逃してしまいがちです。きょうだいや他の家族と状況を共有できていない場合、「このまま自分が頑張るしかない」と一人で抱え込んでしまうことも少なくありません。

結論から言うと、「介護の限界」を感じたときにまずやるべきことは1つです。地域包括支援センター(八王子市では「高齢者あんしん相談センター」という名称)に連絡することです。要介護認定を受けていなくても、早い段階で相談してよい窓口として位置づけられています。

この記事では、介護の限界に気づくためのサイン、最初に相談すべき窓口、要介護認定の申請から施設探しまでの流れ、施設を検討する目安、仕事を続けながら動くための制度を、公的資料に基づいて整理します(2026年時点の情報です)。どの段階から読んでも使える内容になっているので、今すぐ必要な情報から確認していただいて構いません。

「介護の限界」のサインに早く気づく重要性

在宅介護を担う家族は、体力的な負担だけでなく精神的な負担も積み重なっていきます。「まだ大丈夫」と思っている間に、気づかないうちに限界に近づいていることは少なくありません。

八王子市の高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)は、相談対応の分野の一つに「介護離職防止」を掲げています(八王子市公式、2026年時点確認)。これは、仕事を辞めるところまで追い込まれる前の段階で相談してほしいという制度上のメッセージだと捉えてよいでしょう。

同センターは市内21の日常生活圏域すべてに設置されており、来所・電話・手紙のいずれでも無料で相談でき、緊急の場合は営業時間外でも電話で対応しています(八王子市公式、2026年時点確認)。どの地域に住んでいても、必ず最寄りの相談先があります。

「まだ要介護認定を受けていないから相談するのは早い」と考える必要はありません。認定の有無にかかわらず、現状を伝えるだけで相談を始められる窓口です。

介護を一人で担っていると、相談すること自体を「親を見捨てる行為」のように感じてしまう方もいます。しかし地域包括支援センターへの相談は、介護を続けるかどうかを決める場ではなく、今の状況に合った選択肢を整理するための場です。早めに相談した結果、在宅介護を続ける選択をすることも当然あります。

まず相談すべき窓口は地域包括支援センター

介護の負担を感じ始めたら、具体的な施設探しの前に、まず地域包括支援センターへ連絡することをおすすめします。

要介護認定の申請自体も、高齢者福祉課(市役所1階20番窓口)、地域包括支援センター、市民部事務所のいずれでも受け付けています。さらに、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者、入所中の施設による代行申請も可能です(八王子市公式、2026年時点確認)。

すでに担当のケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーに相談するのが最も早い方法です。まだケアマネジャーがいない場合は、要介護認定申請の問い合わせ先である福祉部高齢者福祉課(介護認定担当)042-620-7414、または最寄りの地域包括支援センターに連絡してください(八王子市公式、2026年時点確認)。

八王子市の高齢者福祉課は、要介護認定申請の受付だけでなく、介護保険料に関する相談、ケアプラン作成支援、高齢者あんしん相談センターの総括、認知症に関する相談支援なども幅広く担っています(八王子市公式、2026年時点確認)。「どこに聞けばいいか分からない」という状態でも、まずこの窓口に連絡すれば適切な担当につないでもらえます。

このほか、高齢者福祉課は「シルバーふらっと相談室」も複数箇所で運営しています。専門的な相談でなくても、「ちょっと話を聞いてほしい」という段階で気軽に立ち寄れる窓口として位置づけられています(八王子市公式、2026年時点確認)。

一人で抱え込まず、早い段階で専門職に状況を共有することが、その後の選択肢を広げることにつながります。

要介護認定の申請から結果通知までの流れ

施設入所を検討する場合、要介護認定を受けていることが前提になる施設が多くあります。申請から認定までの流れを知っておくと、見通しを立てやすくなります。

八王子市公式サイトによると、申請後の認定調査の日程はおおむね1〜3週間程度で本人・家族へ連絡が入ります。調査員が自宅などを訪問し、日常生活での心身の状況を聞き取る調査が行われ、できるだけ家族の立ち会いが推奨されています(八王子市公式、2026年時点確認)。

これと並行して、市が申請時に指定した医師へ主治医意見書の作成を依頼します。この意見書は、介護が必要な状態かどうかを判定するための資料として使われます(八王子市公式、2026年時点確認)。

認定調査と主治医意見書の内容をもとに審査が行われ、結果は郵送で通知されます。施設探しを検討しているなら、申請から結果通知までの期間を見込んで、早めに動き出すことが重要です。

要介護1以上と判定された場合は、ケアマネジャーと一緒にケアプランを作成し、具体的な介護サービスの利用や施設入所の検討に進みます。厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」の東京都版では、介護事業所や施設の利用料金・職員体制といった基本情報、サービス内容・運営状況などの運営情報を検索でき、1画面で最大3施設まで比較できます(厚生労働省、2026年時点確認)。

施設を検討するタイミングの目安

「どの段階で施設探しを始めればよいか」は家庭ごとに事情が異なり、一概には言えません。ただし、公的資料から分かる制度上の目安はあります。

東京都福祉局「施設をお探しの方へ」によると、特別養護老人ホームは原則として要介護3から5の認定を受けている人が対象です。要介護1・2の場合でも、特例入所が認められる場合があります(東京都福祉局、2026年時点確認)。

一方、介護老人保健施設は在宅生活への復帰に向けたリハビリを中心とする医療ケアと介護が必要な場合に入所する施設で、介護医療院は長期的な医療ケアと介護が必要な場合に入所する施設です(東京都福祉局、2026年時点確認)。

有料老人ホームは食事や生活サービスが提供される施設で、特別養護老人ホームとは異なり東京都への届出が義務づけられています。サービス付き高齢者向け住宅については、必須で提供されるサービスが「安否確認」と「生活相談」の2つのみとされており、食事の提供や介護サービスが受けられるかどうかは施設ごとに異なります(東京都消費生活総合センター、2026年時点確認)。「サービス付き」という名称だけで内容を判断せず、入居前に確認することが欠かせません。

つまり、要介護度がどの程度で、どんなケアを必要としているかによって、検討すべき施設の種類も入所のしやすさも変わってきます。施設の種類ごとの特徴や比較の手順については、関連記事でも詳しく取り上げていますので、合わせて確認してみてください。

仕事を続けながら施設探しを進めるための制度

施設探しや申請の手続きには、平日の日中に窓口へ出向く必要がある場面も出てきます。仕事を続けながら対応するための制度も知っておくと安心です。

育児・介護休業法に基づく介護休業は、対象家族1人につき3回・通算93日まで取得できます。雇用保険の被保険者で一定の要件を満たす場合、休業開始時賃金日額の67%相当額の介護休業給付金が支給されます(厚生労働省、2026年時点確認)。

対象となる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。休業を取得する場合は、休業開始予定日の2週間前までに書面で事業主に申し出る必要があります(厚生労働省、2026年時点確認)。

まとめて93日取得する介護休業とは別に、「介護休暇」という制度もあります。対象家族1人につき年5日まで(対象家族が2人以上の場合は年10日まで)取得でき、時間単位・日単位のどちらでも使えます(独立行政法人福祉医療機構、2026年時点確認)。要介護認定の調査への立ち会いや、施設の見学・面談といった単発の用事には、こちらの制度が向いています。

介護休業は、施設が決まるまでの間にまとめて動くための時間として使える制度です。勤務先の人事・総務担当者やハローワークに、早めに相談しておくとよいでしょう。

まとめ

実家の介護に「もう限界」を感じたときは、一人で抱え込まず、まず地域包括支援センター(八王子市では高齢者あんしん相談センター)に相談することが最初の一歩です。要介護認定を受けていなくても相談できる窓口です。

施設入所を検討する場合は、要介護認定の申請から結果通知までにかかる期間を見込んで早めに動き出すこと、特別養護老人ホームは原則要介護3以上が対象であることなど、制度上の目安を把握しておくことが役立ちます。申請から結果が出るまでの間に、気になる施設の情報収集や見学の予約を進めておくことも可能です。

仕事を続けながら動く必要がある場合は、介護休業・介護休暇制度の利用も選択肢の一つです。状況は家庭ごとに異なるため、判断に迷う点があれば、地域包括支援センターやケアマネジャー、必要に応じて社会保険労務士やハローワークに確認しながら進めてください。

施設の種類ごとの特徴や比較の手順、入居費用を実家の売却でまかなう場合の流れ、親を呼び寄せて同居する場合との比較など、関連記事でも具体的な検討材料を取り上げています。状況に応じて、あわせて確認してみてください。

参考文献

八王子市公式ホームページ「高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)」 / 八王子市公式ホームページ「介護保険の介護サービスを利用したい場合、どこで申請すればいいですか」 / 八王子市公式ホームページ「要介護認定申請から認定結果通知まで」 / 東京都福祉局「施設をお探しの方へ」 / 東京都生活文化局消費生活部東京都消費生活総合センター「有料老人ホームとの契約トラブルの防止」 / 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」 / 厚生労働省「介護休業|介護休業制度特設サイト」 / 独立行政法人福祉医療機構(WAM NET)「仕事と介護の両立のための制度について」

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カヅキ

カヅキ

桑都手帖 編集者

ものづくりや意匠設計を学んだ経験をもとに、八王子の風土・歴史・伝統工芸を現代につなぐ記事を書いています。暮らしの手続きについても、調べたことをそのまま書き留めています。